借地の家を子どもに相続させるべきか問題

家を手渡す様子

地主・借地人の双方に高齢化の波が押し寄せており、地主・借地人のどちらも相続を迎えることが増えてきました。
30年以上誰かに土地を貸しているという方もいれば、30年以上借地に自宅を建てて住んでいるという方もいるでしょう。今回は借地の家を子どもに相続させるべきか問題について考えていこうと思います。

借地権とは

建物を所有するために、地代を支払って土地を借りる権利のことを「借地権」といいます。地代が発生するものの、土地を買うよりも安価になることがあり、借地の上に住居を建てるという選択肢は珍しくありません。

ただし、契約の内容によっては、借地を返す際に、更地にして返さなければならず、解体費用は借りた人が負担します。家を残してしまったことで、子どもに金銭的負担をかけてしまう可能性も否定できないという点に注意が必要です。
【参考元】
「借地権の売却・売買・譲渡」注意点や流れなどを解説| 株式会社マーキュリー

借地の問題点

借地権の存続期間は、30年以上・50年未満に設定されます。そのため、相続で借地権付き建物を譲受すると、どうしても建物の老朽化問題に直面することになります。借地権を相続したところで、家は古くて住める状態ではないとか、利便性に欠けるから住むのは現実的ではない、というケースも多いでしょう。

相続後に建て替えたいと思っても、借地だと一筋縄ではいきません。借地権は担保としての価値が低いというデメリットがあります。つまり、建て替え費用のために融資を受けようとしても、銀行からローンが下りないことも多々あるということです。

建て替えを実行するためには、それなりの現金資産を持っている人か、他の不動産を持っている人に限られるでしょう。資金調達ができずに、借地の建て替えを諦めてしまうというケースも珍しくはないことです。

借地権は売却できる

借地権を持っている場合は、空き家でも建物を管理しなければなりません。住もうと思っても、資金が用意できずに建て替えができなくなったら、処分を考える必要があります。

建て替えを断念したなら、次に考えるのは「借地権の売却」。借地権は売却できるのです。そうはいっても、普通の不動産のような値がつくわけではありません。ただし、地主にとっても、借地権の売却は絶好のチャンスといえます。借地権を買い取って所有権を得られる、または借地人と協力して底地・借地権を抱き合わせで売却できるからです。

地主・借地人どちらにもメリットがあるということを双方が理解し、利便性・有用性を考慮して、地主と話し合いを重ねながら、借地と借地権の扱いをどうするのか、じっくり検討していくことが理想です。

Authorシゲル

はじめまして!サイト運営者且つ新社会人のシゲルです。 親が高齢に近づく年代となりました。僕と一緒に現代の高齢化社会について考えてみませんか? 【Blog】http://blog.livedoor.jp/ukawaguchiugcyiweo/