日本における高齢化対策の基本をまとめた法律をご存知でしょうか。それが、高齢社会対策基本法というもので、国民の誰もが生涯にわたり安心して生きがいのある生活をするためのものです。
また、未曾有の高齢化社会の実態を明らかにすることも目的とされていて、大まかな基本方針を打ち出し、高齢社会対策を総合的に推進するためのものとされています。
基本理念には、3つのポイントが示されており、公正で活力のある社会、地域社会が自立と連帯の精神に立脚して形成される社会、豊かな社会というものです。
また、国民の努力についても触れられていて、対策の受け手となる国民も、高齢化社会に関する知識を深めると共に、相互の連携をいっそう強め、健やかで充実した生活ができる努力を怠らないというようなことが掲げられています。
このことからも、国だけが動くのではなく、国民一人一人が国と連携するかたちで動いていかなければ機能しないのが高齢化対策であることがわかります。
基本的な施策としては次のものが掲げられており、ひとつは企業の高齢者が意欲的に働ける環境作りによるものです。高齢者が働く楽しみを見つけられる多様な機会を与えることによって、高齢者の就業意欲を増進させるものとなります。
また、国民の健康保持についても掲げられていて、国民が自ら率先して健康を保持できるように、総合的な施設を講じるといったものです。さらに生涯学習の機会を高齢者に与えることも重要とされていて、ボランティアなどの社会的活動を通じて、生涯学習のチャンスを多くするものとなります。
高齢者の生活の基本となる住宅の確保についての取り組みについても書かれていて、高齢者に適した住宅作りだったり、高齢者に配慮した公共設備の整備などが挙げられています。
このように高齢社会対策基本法では、高齢者が様々な意味で豊かで人間らしい生活を送るという部分に注目して、具体的な対策に繋げていこうという主旨のものです。