EUと日本の取り組み

超高齢化社会ともいえる現状を危惧した日本は、EUと共同して高齢化社会への対策に取り組んでいます。高齢化社会に悩むのは、日本だけではなく、欧州連合諸国もこの問題を重大なものとして受け止めているのです。

もはや、一国の力だけでどうにかなるような問題ではないので、先進国同士が結束して共同で問題に取り組むものとなります。

高齢化社会対策としての今後の課題は、雇用問題、所得補償、新たな市場創出といったものがあります。

高齢化社会において生産年齢人口の低下は免れないものとして、その状況を悲観的にとらえるのではなく、生産年齢人口に当てはまらない高齢者を戦力として考えていく方針も提案されているのです。

高齢者が社会に携わることは経済的競争力の強化だとして、様々な制度改革によって高齢者が積極的に働ける労働環境を作り上げていこうというものになります。

また、年金制度改革も急務だといえて、次世代に課題を残さない制度改革が必要なのです。年金制度改革を進めるにおいて重要になってくるポイントは、年金の妥当性の保持、持続性の確保、変化に対応できる柔軟な制度といったものです。

具体的には、高齢者の雇用を確保した上で、年金の支給年齢を引き上げたり、企業年金を活用して公的年金を補助するといった対策となります。

高齢化社会における高齢者については、その問題の大きさからどうしてもネガティブなとらわれ方がしてしまいがちです。しかし、発想の展開により高齢者が市場を活性化させるという見方を作り上げることで、高齢者が持っている可能性を引き出します。

豊富な財源を持つ高齢者世代をターゲットにした製品展開や国のサポートによって高齢者が社会で活躍できる場を作り上げるなども対策のひとつです。

高齢者の健康維持も重要視されていて、高齢者がより長く健康を維持して、なるべく自分の力で生活できるような状態になっていけば、介護負担の軽減にもなりますし、介護業界や医療業界の人材不足にも同時に効果が発揮されるでしょう。

また、こんな対策で元気になった高齢者が、より充実した余生を過ごせる取り組みも重要視されていて、少額報酬を得られる有償ボランティアやレジャーの充実なども考えられています。

このように、高齢化社会を深刻と考えたEUは日本と共同で様々な取り組みに意欲を示しているのです。また、これらの取り組みに国民が目を向けて真剣に考えていくことも必要なのではないでしょうか。