高齢化によるドライバーの人手不足

中型免許

運輸業界の中で深刻なドライバー不足の原因の1つとして考えられるのが、中型免許があります。
中型免許は2007年の改正により新しく設けられた免許の種類になります。

この新しく設けられた中型免許の出現により、ドライバーの人手不足が生じることになります。
中型免許を設立した目的としては、中型免許設立以前までは、普通自動車免許職していれば大型免許以上の免許でなければ運転することのできなかった自動車については普通免許で運転することができます。
この部類の中に入るのが4トントラックです。普通免許を取得していれば18歳以上で4トントラックを運転することができるため、高校卒業した人たちでも運輸業界に就職してトラックの運転が可能となります。

このため高卒で免許を取得したばかりであっても、即戦力としてトラックを運転することができるため運輸業界のドライバーとして就職することができる状態です。
しかし、2007年の改正により、中型免許は登場することでこの年以降普通免許で4トントラックを運転することができなくなります。
それが、今の人手不足に繋がります。

運輸業界の人手不足

4トントラックを運転するためには中型免許を取得すれば問題ないと考えることができますが、そもそも中型免許は、運転技術の未熟である18歳以上でも運転できる4トントラックの交通事故を防止するために運転技術を習得する期間を設けることで4トントラックの事故を防ぐと考えて創立されます。

この中型免許は、年齢要件が20歳以上で普通免許取得後2年以上経過していなければ取得できない免許になります。
このため中型免許を取得して4トントラックに乗務するためには高校卒業後2年間または中学卒業後18歳以上で取得した普通免許の取得期間が2年以上必要となります。

この空白期間となる2年間のため運輸業界のドライバーが、新卒で就職することが困難となります。
ここにドライバーの人手不足の原因が生じることになります。

勤務時間と運転技術

運輸業界のドライバーとして働く場合には、通常の勤務時間以上の勤務を行うことになります。
通常4時間ごとに休憩をしなければいけないのですが、拘束時間が長いため若い世代の人たちには敬遠されてしまう職業となります。

しかし、残業時間に変わる手当の支払いが行われるので、サービス残業が発生することが皆無となります。
今では道案内についてはGPS機能が搭載されたナビゲーションを利用することになりますが、業務用のトラックにナビゲーションが設置している場合もあります。
しかし、ほとんどの場合にはナビゲーションが設置していない状況にあります。

また、ナビゲーションが設置してあってもその車に対応したナビゲーションでなければ、狭い道に侵入することは不可能となります。
そこで必要となるのが運転技術の上達と経験が必要となります。

経験では、業務で行ったことのある道順や通行できる道を把握しておくことが必要となります。
この経験をしっかり積むことが出来なければ、トラック乗務をすることが難しくなり若手の人たちには、最初からベテランと同じように乗務することができない状況にあります。

この運転技術と経験が必要なためドライバーを務める人は経験豊富な高齢者が運転することになります。
この問題を解決するには、助手として若者を乗務させても同じように給与を払うことがが企業に必要となります。
この問題を解消しなければ高齢化によるドライバーの人手不足を解消するのは難しいです。